お客様の成功事例

はじめに
グローバルで事業を展開する企業にとって、化学品規制対応の難易度は年々高まっている。
規制情報は増え続けている一方で、企業が直面している課題は「情報不足」ではなく、
「その情報をどう判断するか」にシフトしている。
今回は、そうした課題に直面し、外部パートナーの活用に踏み切った企業の担当者に、
導入の背景と実際の変化について話を伺った。
第1章:「情報はある。しかし判断できない」 ── 従来体制の限界
以前の規制対応体制について教えてください。
2021年末から今まで、複数の情報源を組み合わせて対応しています。
速報サービス、製造元や海外販売会社からの情報、業界団体の発信などです。
それらをもとに、自社ビジネスへの影響を社内でスクリーニングし、
対応要否を判断するという流れでした。
課題を感じ始めたのは、どのあたりでしょうか。
一番大きかったのは、「情報はあるが判断できない」という点です。
規制情報の収集自体も簡単ではありませんが、それ以上に難しいのが、
その情報が自社製品に適用されるのかどうかを判断することでした。
特に対象国が増えると、情報量が膨大になり、重要なものを見極めるだけでも相当な負担になります。
また、「対応不要」と判断する場合でも、その根拠を社内で説明しきれないケースがありました。
実際に判断に迷われたケースはありましたか。
ありました。中国の規制対応において、自社判断が結果的に適切ではなかったという経験があります。
このときに強く感じたのは、“判断そのもの”がリスクになるということでした。
第2章:意思決定を変えたのは「第三者の根拠」
外部パートナーの活用を検討されたきっかけは何でしょうか。
自社(本社)だけで判断することに限界を感じたことです。
最終的な意思決定にあたって、第三者としての見解と、その裏付けとなる根拠を持ちたいという思いが強くなりました。
他の手段との比較はされましたか。
直接的に他の手段と比較したことはありませんが、遵法判断における重要な点は、
複数の情報源に基づき多角的な観点から状況を俯瞰することにあると考えています。
外部パートナーとは、密接に連携しながら、判断の根拠となる情報を精査し、
その精度を高めていける点を重視しています。
第3章:「結論」ではなく「判断プロセス」が納得感を生む
実際に導入してみて、どのような変化がありましたか。
最も大きいのは、判断に対する納得感が明確に変わったことです。
以前は「対応する・しない」という結論は出せても、
その理由を十分に説明しきれないことがありました。
現在は、規制の解釈プロセスや前提条件まで含めて提示されるため、
“なぜそう判断できるのか”を社内で説明できるようになりました。
社内での意思決定にも影響はありましたか。
ありました。
特に承認プロセスがスムーズになり、関係部署との認識のズレによる差し戻しが大きく減りました。
第三者の見解と明確な根拠があることで、関係部署との合意形成が取りやすくなっています。
御社を選んだ理由は、「結論」だけでなく「判断に至るプロセス」まで提示してもらえる点にありました。
第4章:今後求めるのは「スピード」と「選別力」
今後、どのような支援を期待されていますか。
まず重要なのはスピードです。
規制対応はタイミングによって影響が大きく変わるため、迅速な判断支援は不可欠です。
もう一つは、情報の選別です。
すべての情報ではなく、自社ビジネスに影響するものだけを
的確に抽出してもらえることに価値を感じています。
さらに、対象はグローバルであるため、
ワールドワイドで一貫した判断ができる体制にも期待しています。
第5章:コンプライアンスは「コスト」ではなく「競争力」
同様の課題を持つ企業へメッセージをお願いします。
コンプライアンス対応はコストと見られがちですが、本質的には企業の信頼性を支える重要な要素だと思います。
最終的には、顧客に安心していただける製品を提供することが競争力につながります。
その意味で、規制対応は単なるコストではなく、
価値を生むための投資として捉えるべきだと考えています。
取材後記
今回の取材を通じて見えてきたのは、課題の本質が「情報収集」から「判断」へと移行している現実である。
特に印象的だったのは“結論”ではなく“判断プロセス”そのものが価値になっているという点だ。
外部パートナーの役割は、単なるリソース補完ではない。
意思決定の質を高め、組織としての納得感を形成する存在へと変化している。
スピード、選別力、そして一貫した判断──
これらをどう実現するかが、今後の規制対応における競争力を左右するだろう。
※本記事は、公開前に取材対象者の許諾を得た上で公開しています。
